「EDI導入は何から始めればいい?」「本稼働までの期間はどれくらい見ておけばいい?」
そんな情報収集中の担当者に向けて、検討開始から本稼働までの標準的なステップと、各フェーズでやるべきこと、スケジュールの目安を分かりやすく解説します。
単にシステムを導入すれば終わりというわけではありません。導入後の業務フローがどう変わるのか、トラブル時にどう対応するかといった運用体制まで見据え、逆算して計画を立てることが重要です。
現在の業務をどこまでシステム化するかを決めるフェーズです。接続する取引先数や月間のデータ処理枚数の把握、発注書や納品書といった対象帳票の決定、入力工数の削減やFAX誤読防止などの解決すべき課題を洗い出します。
この初期段階での分析が曖昧だと、後から他の業務も対象にすべきだったという手戻りが発生するため注意が必要です。
自社の人員や予算といったリソースに合わせて導入形態を決めるフェーズです。機能の優劣よりも、自社の体制で無理なく運用できるかが重要になります。
自由度は高いが専門知識が必要な「自社運用型」、初期費用は抑えられるが設定作業は自社対応が多い「クラウド型」、監視・エラー対応・取引先サポートを任せられる反面、 委託コストが発生する「運用委託型」といったように、 自社の体制に合う方式を選びましょう。
パートナーとなるIT企業を決定するフェーズです。現状分析で把握した取引数やデータ量、決定した運用方式などの要件を各社に提示して相見積もりを取ります。
比較検討の際は、単なる費用の安さだけで選ぶのではなくトラブル時の電話対応などサポート体制の充実度や、JX手順など取引先が指定する通信手順に対応しているかを重視すべきです。
システム構築と接続確認を行うフェーズです。データ変換ルールの作成といったシステムの設計・設定を実施。最重要項目となる接続テストへ進み、取引先と実際にデータを送受信して正しく連携できるかを確認します。
テスト日程は取引先の都合に左右されるため、コントロールが難しく時間がかかることを認識しておきましょう。
テスト完了後、実運用を開始します。エラー発生時の連絡網やマニュアルなどの運用ルールの事前整備が必要です。いきなり切り替えるリスクを回避するため、FAXや電話と併用しながら、数字にズレがないかを確認する期間を1か月程度は設けて慎重に移行します。
一般的な導入期間の目安は以下の通りです(※あくまでも目安であり、実際の導入期間はサービスや要件によって異なります)。
| 導入規模・タイプ | 期間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 小~中規模(クラウド型) | 数週間~半年 | 標準機能をそのまま利用する場合なら短期間で導入可能 基幹システムとの連携開発や数十社との接続テストがある場合は期間が延びる |
| 大規模 (オンプレミス型等) |
半年~数年 | 自社専用の個別開発や数百社との接続調整が必要な場合 |
スケジュール通りに進まない原因の多くは、システムの問題ではなく、社内外における「人の調整不足」にあります。
取引先のIT担当者と連絡が取れない、繁忙期で接続テストに協力してもらえないといった「社外調整の遅れ」や、事前検討が不十分なまま進めたことで後から要望が増え、設計を見直すことになる「社内要件のブレ」が、遅延の主な要因です。
導入の流れと期間の目安を把握した後は、次のステップである具体的な「予算取り」と「サービス選定」へ進みましょう。
社内で実現可能なスケジュールを策定するためにも、早めの段階でベンダーへ相談を持ちかけることが重要です。自社の要件に合わせた概算見積もりを取得し、導入完了までに必要な標準工数(リードタイム)を確認してください。
EDIの基礎をおさえたら、次は自社の要件を叶えるサービス選びです。しかし、数あるEDIサービスの中から、自社の目的に適ったものを選定するのは、簡単ではありません。
当メディアでは、各社が提供するEDIサービスの特徴や仕様、事例を調査。
多くの企業が重視する目的別に、おすすめしたいEDIサービス3社を厳選して紹介しています。具体的なサービスの比較の第一歩としてご活用ください。
【生活用品商社】百貨店・量販店ごとの複雑な個別ルールをすべて吸収し、ファイル交換型と3つのWeb-EDIを統合。高難易度の移行をトラブルなく完遂。
【自動車部品メーカー】SAP本体への作り込みを少なく抑え、業界特有の通信手順や閉域網への接続をEDI側ですべて吸収。変化に強く、長期的に安定する連携基盤を確立。
【食品メーカー・卸】電話・FAX依存の注文をWeb-EDIへ集約し、複数の飲食店からの受注を一元管理。手作業による入力負荷をなくし、正確で効率的な業務へ刷新。