「EDIは止められないが、運用する人がいない」。IT人材不足への解決策として、SaaSのEDIと運用代行(BPO)を組み合わせた「SaaS+BPO型」が注目されています。
本記事では、運用のどこまでを委託でき、自社に残る役割や仕組み、メリットを解説。EDI導入にお役立てください。
SaaS+BPO型EDIとは、EDIシステムをクラウドサービス(SaaS)として利用する運用モデルです。監視やエラー対応といった日常的なEDI運用業務を外部ベンダーに委託できます。
単なるEDIツールの提供にとどまらず、運用の専門チームが実務を担う点が大きな特徴です。
24時間365日の死活監視や障害発生時の一次対応など、即応性が求められる運用業務を委託できます。夜間・休日のアラート対応や障害の切り分け、関係者への連絡まで任せられる点が特徴。
取引先追加時のマッピング設定や接続テスト、問い合わせ対応(EDIヘルプデスク)など、属人化しやすい実務もアウトソース可能です。
運用を委託しても、最終的な責任や意思決定まで外部に移るわけではありません。
障害発生時に業務を止めるか継続するかといったイレギュラー対応の最終判断やEDIに関わる社内業務ルールの策定、取引先対応方針の決定は自社が担います。
変更管理の承認やSLA管理などのガバナンスを自社で保持することで、EDI運用のブラックボックス化を防ぐことが大切です。
特定の担当者に依存したEDI運用から脱却できる点は、SaaS+BPO型EDIの大きなメリットです。監視や障害の一次対応など日常的な運用をベンダーが担うため、担当者が不在でもEDI運用を継続できます。
退職や異動による停止リスクを抑えつつ、少人数体制の情報システム部でもDX推進やIT企画といった「攻めのIT」にリソースを割けるでしょう。
EDI運用を外部に委託する分、SaaS単体よりコストは高くなります。ただし、担当者の採用・育成コストや夜間対応の負担、属人化によるリスクを考慮すれば、一概に割高とはいえません。
一方で、任せきりにすると運用状況が見えなくなる恐れがあります。月次レポートや障害対応履歴、改善提案などを通じて、運用状況を可視化してくれるベンダーを選ぶことが重要です。
SaaS+BPO型のEDIサービスは、ベンダーごとに対応範囲が異なります。参考までに、2025年12月25日時点のGoogle検索「SaaS+BPO型EDI」で表示された事業者25社の公式HPを調査。「SaaS+BPO型EDI」の提供が確認できた2社を一例として紹介します。
取引先ごとの個別対応(セミオーダー)に対応しながら、導入から運用までを一貫してアウトソーシングできる点が特徴です。取引先との接続テストや問い合わせ対応まで代行することで、社内のEDI運用負荷を大幅に軽減できます。
変更対応が多く、少人数体制でEDI運用を抱える企業にとって、運用負荷を抑えやすい運用モデルです。
SaaS+BPO型EDIは、社内リソースが限界に近づいている企業でも、EDIの品質と安定稼働を維持しやすい運用モデルです。コストは増えますが、人材不足や運用停止リスクを回避できる点を踏まえれば、十分な投資対効果が期待できます。
当メディアでは、各社が提供するEDIサービスの特徴や仕様、事例を詳しく調査。
特にニーズの高い「現場の個別仕様の吸収」「業界ルールの遵守」「手軽な導入」という3つの目的別に、おすすめのEDIサービス3社を厳選して解説しています。自社要件に適したサービス検討の参考として、ご活用ください。
運用を自社で行う余力があり、サーバー管理だけを外部に任せたい場合は「クラウドSaaS型」がおすすめです。要件によりますが、BPOより低コストかつ短期間で導入できます。
業務フローが特殊で高度なカスタマイズが不可欠な場合は、「オンプレミス型」が向いているでしょう。システムを自社で保有しつつ、自由度の高い運用が可能です。
【生活用品商社】百貨店・量販店ごとの複雑な個別ルールをすべて吸収し、ファイル交換型と3つのWeb-EDIを統合。高難易度の移行をトラブルなく完遂。
【自動車部品メーカー】SAP本体への作り込みを少なく抑え、業界特有の通信手順や閉域網への接続をEDI側ですべて吸収。変化に強く、長期的に安定する連携基盤を確立。
【食品メーカー・卸】電話・FAX依存の注文をWeb-EDIへ集約し、複数の飲食店からの受注を一元管理。手作業による入力負荷をなくし、正確で効率的な業務へ刷新。