キヤノンITソリューションズが提供する「EDI-Master Cloud」は、通信・データ変換・ジョブフロー・運用管理といったEDI機能をクラウド上で利用できるサービスです。70種類以上のOpenAPIによる周辺システムとの連携や、接続先数・設定ファイル数に左右されにくい定額制の料金体系を特徴としています。
自社でサーバーを保有せずにEDIを運用できることに加え、オプションの「EDI業務運用サービス」を利用すれば、監視や障害復旧、再送操作、接続先からの問い合わせ対応などを委託できます。自社運用と運用代行のどちらにも対応しやすいクラウド型EDIといえるでしょう。
本記事では、EDI-Master Cloudの特徴や提供形態、導入後の運用イメージ、導入事例を解説します。
【EDI-Master Cloudはこんな企業におすすめ】
【こんな企業にはおすすめしません】
EDIサービスは、提供形態やカスタマイズ性、運用支援の範囲によって向いている企業が異なります。当ページ紹介のサービスが自社の要件に合わない場合は、ほかのサービスも比較・検討してみてください。
EDI-Master Cloudは、複数の取引先と継続的にデータを交換し、通信・変換・基幹連携などの処理をまとめて管理したい企業に適しています。特に、オンプレミス型EDIの老朽化や運用担当者の不足、取引量の増加といった課題を抱える中堅~大規模企業が主な検討対象となるでしょう。
一方、導入事例には、初めてEDIを導入してRPAと連携した企業もあります。そのため、従業員数や売上規模だけでなく、「API連携による業務自動化が必要か」「データ量が増減するか」「EDI運用を自社で担えるか」といった条件から適合性を判断することが重要です。
EDI-Master Cloudは、単に取引データを送受信するだけでなく、データ変換やジョブフロー、運用管理までクラウド上で実行できるサービスです。基幹システムやRPAなどと連携し、受信から変換、登録までの処理を自動化したい企業ほど、導入効果を得やすくなります。
反対に、取引先が数社だけで、ブラウザ上から受注データを確認できれば十分という場合は、機能や費用が要件に対して過剰になる可能性があります。
オンプレミス型EDIでは、サーバーの保守やソフトウェアの更新、証明書の管理、バックアップ、障害時の復旧などを自社で行う必要があります。設備の老朽化や担当者の退職によって、運用を継続できなくなるリスクも考慮しなければなりません。
EDI-Master Cloudは、マイクロサービスアーキテクチャやオートスケーリング、コンテナ技術を採用したクラウドネイティブなEDIサービスです。サーバーや通信回線、サーバー証明書などをサービスとして提供するため、インフラの保守・更新・BCP対策を自社で抱える負担を軽減できます。
バージョンアップやセキュリティ対策、バックアップもサービス提供側で実施されるため、利用企業はEDIの業務設定や取引先対応に注力しやすくなります。
EDIをクラウド化しても、基幹システムへのデータ登録や処理結果の確認を人が行っていては、業務全体の効率化にはつながりません。
EDI-Master Cloudは、設定・実行・結果確認などの操作に対応する70種類以上のOpenAPIを提供しています。基幹システムや運用管理ソフト、EAI/ETL、RPAなどと連携し、データ受信後の変換や登録、処理結果の確認までを自動化できます。
通信・変換・基幹連携などの一連の処理は、ジョブフローとして設定可能です。取引先ごとの処理をパターン化することで、担当者による手動操作や確認作業を減らし、EDI業務の属人化を防ぎやすくなります。
データ転送量に応じた従量課金型のEDIでは、繁忙期や取引量の増加によって月額費用が変動し、予算を立てにくくなる場合があります。
EDI-Master Cloudは、月間データ転送量に応じた定額制プランを採用しています。接続先数や設定ファイル数による課金ではないため、取引先やファイル数が増えても費用が急増しにくい点が特徴です。
ただし、契約するプランは想定データ転送量によって異なります。導入前には、通常月だけでなく繁忙期の転送量や今後の取引拡大も踏まえ、適切なプランと追加費用の有無を確認しましょう。
EDIでは、システムが稼働しているかを監視するだけでなく、データの未着や重複、通信エラーが起きた場合の原因確認や再送、取引先への連絡などが必要です。新しい取引先を追加する際には、通信設定や疎通テストも発生します。
オプションの「EDI業務運用サービス」では、日常的な監視、障害時の復旧、再送などのオペレーション、問い合わせ対応、レポート作成を一括して支援します。取引先や運用要件に合わせて委託範囲を調整できるため、「通常時は自社で管理し、障害対応だけを委託する」といった運用も検討できます。
自社にEDI専任担当者を置きにくい企業や、担当者が本来のシステム企画業務に集中できる体制を整えたい企業に適したサービスです。
企業間の受発注情報や金融関連データをクラウド上で扱う場合、機能だけでなく、サービス提供者のセキュリティ管理体制も重要な選定条件です。
EDI-Master Cloudは、ISMSクラウドセキュリティに関する国際規格「ISO/IEC 27017」の認証を取得しています。国際規格に基づいた管理体制が明示されているため、クラウドサービスの選定基準や社内監査への説明材料として活用できます。
EDI-Master Cloudは、通信・変換・ジョブフロー・運用管理機能とクラウド基盤をまとめて利用するSaaS型のサービスです。利用企業がサーバーやネットワーク機器を用意する必要がなく、サービス提供側が基盤の監視、セキュリティ対策、バックアップ、バージョンアップを担います。
そのため、オンプレミス型EDIで発生していたハードウェアの更新やOS・ミドルウェアの保守作業を削減できます。自動アップデートにより最新環境が提供される点も、長期運用を前提とするEDIではメリットになります。
運用管理機能はWebブラウザから利用でき、実行履歴や処理状況の確認、再実行などを自社で行えます。導入支援や操作トレーニングを受け、日常的な設定・保守を内製化することも可能です。
一方、EDI業務運用サービスを追加すれば、監視・障害復旧・オペレーション・問い合わせ対応などを委託できます。EDI-Master Cloudは、SaaSを基本としながら、必要に応じて運用代行を組み合わせられる提供形態です。
セキュリティポリシーや既存システムの制約から自社環境内での構築が必要な企業向けには、オンプレミス型の「EDI-Master」シリーズが別途提供されています。
クラウド型では基盤運用やアップデートをサービス提供側へ任せられる一方、オンプレミス型ではサーバー構成や通信方式を自社要件に合わせて設計しやすくなります。運用負荷を減らしたい場合はクラウド型、環境を自社で管理したい場合はオンプレミス型という観点で比較するとよいでしょう。
| サービス名 | EDI-Master Cloud |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド(SaaS) ※オンプレミス型の「EDI-Master」シリーズも別途提供 |
| Web-EDIの有無 | EDI-Master Cloud単体での提供は公式HPに明記なし(要問い合わせ) ※EDI-MasterシリーズではWeb-EDIソリューションを別途展開 |
| 対応プロトコル | 全銀TCP/IP(広域IP網)、JX、AS2 |
| 24時間365日サポート | 〇(「24H/365D 拡張サポート」としてオプション提供) |
| 運用代行・サポートの有無 | 〇(「EDI業務運用サービス」としてオプション提供) |
| API対応の明記 | 〇(70種類以上のOpenAPI) |
| セキュリティ認証 | ISO/IEC 27017 |
| 契約期間 | 1年単位 |
| 費用 | 要見積もり 提供開始時の標準価格は基本利用料月額15万円~(税別)。別途、初期設定費10万円と構築サービス費が必要。EDI業務運用サービスは別途見積もり |
導入後は、設定したジョブフローに従って、データ受信、フォーマット変換、基幹システムとのファイル連携、送信などの処理が自動実行されます。
担当者はWebブラウザの管理画面から、各サービスの実行履歴や処理状況を確認できます。APIを利用すれば、既存の運用管理システムから処理結果を取得したり、定期的なログ取得を自動化したりすることも可能です。
通信エラーやデータ未着が発生した場合は、管理画面から原因や実行状況を確認し、必要に応じて再実行します。自社で対応できる体制がある企業は、Webブラウザの管理機能を使って運用を内製化できます。
EDI業務運用サービスを契約している場合は、監視、障害時の復旧、再送などのオペレーションを専門担当者に依頼できます。夜間や休日にも障害対応が必要な場合は、「24H/365D 拡張サポート」の追加を検討しましょう。
新しい取引先を追加する際は、通信プロトコルやファイル形式、送受信のタイミングなどを確認し、接続設定と疎通テストを行います。
自社運用を選択した企業は、マニュアルやトレーニングを活用して設定・保守のノウハウを蓄積できます。運用代行を利用する場合は、接続先との疎通テストや問い合わせ対応なども委託範囲に含められるため、取引先追加時の担当者負担を抑えることが可能です。
仕入れ先からの出荷明細をFAXやメールで受け取り、担当者が内容を確認したうえで、基幹システムへ仕入れ情報を手入力する運用が続いていました。
仕入れ件数が100件に及ぶこともあり、入力作業そのものの負荷が高いだけでなく、誤入力による後工程での確認や修正が発生していました。
EDIとしての機能要件を満たし、拡張性の高いクラウド型EDIとしてEDI-Master Cloudを採用。新規検討開始から約4か月で本稼働し、既存のRPAツールとも連携させました。
その結果、仕入れ情報の入力業務をゼロにし、データの正確性を確保。単純入力作業がなくなったことで、担当者の負担軽減と後工程での手戻り削減につながっています。
【中村商事 担当者】
利用していた外部EDIサービスは月間取引データ量による従量課金制で、毎月の費用が変動するうえ、取引量が多い月には利用料が高額になることが課題でした。
また、限られた社内リソースで、接続先ごとの要件に対応しながらEDIを運用・保守できる体制を整える必要がありました。
接続先数や設定ファイル数に依存しない定額制を採用したことで、運用コストを従来の5分の1に削減。毎月の費用を可視化し、予算を管理しやすくなりました。
シンプルなコンソール画面と、導入時のトレーニングやマニュアルを活用することで、少人数でもEDIの運用・保守を内製化。構築開始から5か月でサービスインし、取引先との調整や新規EDI取引の開始にかかるリードタイムも短縮しています。
【SBS東芝ロジスティクス 担当者】
A. EDI-Master Cloudは、接続先数や設定ファイル数ではなく、月間データ転送量に応じた定額制プランを採用しています。そのため、接続先や設定ファイルが増えただけで利用料金が上がる仕組みではありません。ただし、契約プランのデータ転送量を超える場合の取り扱いについては、見積もり時に確認が必要です。
A. はい、可能です。70種類以上のOpenAPIを備えており、設定や実行、結果確認などの操作をAPI経由で行えます。既存の基幹システムや運用管理ソフト、EAI/ETL、RPAなどと連携し、データ処理や運用管理の自動化を進めることができます。
A. はい、可能です。オプションの「EDI業務運用サービス」を利用することで、日常的な監視、障害時の復旧、再送などのオペレーション、接続先からの問い合わせ対応、レポート作成などを委託できます。具体的な委託範囲は、運用要件に応じて調整が必要です。
A. 24時間365日の電話による障害受付やシステム復旧対応は、「24H/365D 拡張サポート」としてオプション提供されています。標準サポートの対応時間や、EDI業務運用サービスとの役割分担を契約前に確認しましょう。
A. EDI-Master Cloudはクラウド型のサービスです。ただし、キヤノンITソリューションズは、自社環境にEDI基盤を構築するオンプレミス型の「EDI-Master」シリーズも提供しています。クラウド利用が難しい場合は、オンプレミス型を含めて相談できます。
A. EDI-Master Cloudは、ISMSクラウドセキュリティに関する国際規格「ISO/IEC 27017」の認証を取得しています。また、システム監視、セキュリティ対策、バックアップなどがクラウドサービスの提供範囲に含まれています。
EDI-Master Cloudの特徴を生かしやすいのは、基幹システムやRPA、運用管理ソフトなどと連携し、受信後の処理や結果確認まで自動化したい企業です。
選定時には、連携対象となるシステム、APIで実行したい処理、エラー発生時の処理方法を整理しましょう。既存システムの改修範囲や、API連携の構築費用も確認が必要です。
EDI-Master Cloudは、Webブラウザの管理画面を使った自社運用と、EDI業務運用サービスによる外部委託の両方を検討できます。
内製化する場合は、設定・再実行・取引先調整を担当できる人材が必要です。外部委託する場合は、監視、再送、障害復旧、問い合わせ対応など、どこまでを委託範囲に含めるかを明確にしましょう。
接続先数や設定ファイル数に依存しない定額制は、取引先が増える企業にとってメリットがあります。一方、利用料金は月間データ転送量や利用する機能、構築内容によって異なります。
基本利用料だけで判断せず、初期設定費、構築サービス費、API連携、24時間365日対応、EDI業務運用サービスなどを含めた総額で比較することが重要です。
EDI-Master Cloudは、通信・変換・ジョブフロー・APIを組み合わせて業務を自動化することを得意としています。
一方、既存の操作画面や帳票、取引先ごとの特殊な業務フローをそのまま再現したい場合は、標準機能やデータ変換で対応できる範囲を確認する必要があります。画面や業務プロセスの個別開発が多い場合は、追加開発の可否や費用を事前に確認しましょう。
EDI-Master Cloudは、クラウドネイティブな基盤、70種類以上のOpenAPI、定額制の料金体系を組み合わせ、EDIを周辺システムと連携させながら自動運用したい企業に適したサービスです。
Webブラウザの管理画面を利用して自社運用することも、EDI業務運用サービスを追加して監視・障害復旧・オペレーションを委託することもできます。自社の運用体制に応じて、内製化と外部委託を選択しやすい点も特徴です。
特に、「オンプレミスEDIのインフラ管理から離れたい」「基幹システムやRPAとAPI連携したい」「接続先や設定ファイルが増えても費用を予測しやすくしたい」といった課題を持つ企業にとって、有力な選択肢となるでしょう。
一方、簡易的なWeb-EDIだけを低価格で導入したい場合や、既存の画面・業務フローを大幅な個別開発で再現したい場合は、機能や費用が自社要件に合うかを慎重に確認する必要があります。
EDIはサービスの選定を誤ると、要件ミスマッチによる接続トラブルや、基幹システムの予期せぬ改修・追加開発を招く可能性があります。
しかし、個別要件が複雑に絡むEDIにおいて、自社に合うサービスを見極めるのは容易ではありません。
当メディアでは、各社のEDI導入実績と事例を調査し、特にニーズの高い「現場の個別仕様の吸収」「閉域網や専用ネットワークへの対応」「手軽な導入」の目的別におすすめの3社を厳選して紹介しています。自社要件に適したEDIサービスの比較検討にご活用ください。
| 会社名 | キヤノンITソリューションズ株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都港区港南2-16-6 |
| 電話番号 | 03-6701-3300 |
| 公式サイトURL | https://www.canon-its.co.jp/ |
EDIサービスは取引先と使うシステムのため、費用や機能だけでなく「取引先の状況」に合わせた選定が不可欠です。
取引先ごとに仕様や通信手順が異なり個別対応が必要な企業は【個別カスタマイズ型】、金融連携や厳格なセキュリティ要件・閉域網での運用が必要な企業は【専用ネットワーク対応型】、自社仕様のWeb画面を取引先にも使ってもらうことが可能な場合は【自社主導・簡易Web型】がおすすめです。
【生活用品商社】百貨店・量販店ごとの複雑な個別ルールをすべて吸収し、ファイル交換型と3つのWeb-EDIを統合。高難易度の移行をトラブルなく完遂。
【エネルギー・プラント関連】高セキュリティな専用ネットワーク(閉域網)を活用し、受発注と金融決済の通信を統合。堅牢な通信基盤により安全で安定した取引運用を実現。
【食品メーカー・卸】電話・FAX依存の注文をWeb-EDIへ集約し、複数の飲食店からの受注を一元管理。手作業による入力負荷をなくし、正確で効率的な業務へ刷新。